interview
聞きたい
【聞きたい 小玉百夏さん▶2】
目指すはジャッキー・チェン
2025.05.24
希少なアクション女優として若くしてデビューした小玉百夏さん。アクションありきの仕事の依頼に、「女優として認められたい」と反発したこともあった。だけど、オファーは絶えなかった。
アクションと芝居を極める
――野球少女がアクション女優を目指したのは?
映画好きな一家で、映画をよく観ました。私はジャッキー・チェンが大好き。ジャッキーの影響でアクションにはまりました。
最初に目指したのはスタントマンでした。体力テストはいつも学年で1番。運動神経がよかったので、これで仕事をしていきたいと思うようになって。
それで、高校をやめて、スタントマンを養成する事務所に入るため上京しました。
――これが縁で女優としてデビューするわけですね。
16歳でした。『仮面ライダーフォーゼ』にセリフ付きで出演しました。ものすごく興奮しましたね(笑)。テレビに出られてうれしかったです。
若い女の子でアクションをする子が少なかったので、いろいろなオファーをいただきました。
▲『ファースト・ミッション』の1シーン
――どんな役がありましたか。
仮面ライダーや戦隊シリーズによく呼ばれました。戦隊では中に入ってアクションしました。
ミュージカルでは『忍たま乱太郎』で「おシゲ」役をましたよ。背が低いのもいいことありますね(笑)
ただ、アクションありきのオファーが多く、ちょっと辟易してきた時期がありました。
――アクションが好きだったのでは?
アクション女優でなく、女優として認められたかったんです。アクションなしでも通用したいと。一回、切り離したいと思いました。
でも、断っても、断っても、出演のオファーが来ました。
――ある意味、光栄ですよね。
はい。「みんなから求められているんだ」「私のアクションを見たいファンがいる」。そう思えるようになりました。
お芝居が上手な女優さんはたくさんいるけど、アクションのできる女優は少ない。アクションを極め、お芝居もできるようになればいいと気持ちを切り替えることができました。
1児の母、本業近く再開
――私生活では声優と結婚し、昨年4月に第一子が生まれました。
1歳になります。育児のため、アクションはできませんから、ゲームアニメの動きを演じるモーションキャプチャーの仕事を引き受けていますが、これがめちゃ楽しいんです。スタントをやっていたのは役に立っています。
――そろそろ、本業も再開したいですね。
子供を産んだら引退しようかと考えた時期もありましたが、結局、好きなんですね、アクションが。
年齢を重ねれば、スピードとか体力は当然、落ちるでしょう。でも、技術は磨くことができます。スピードを速く見せるようにもできる。ジャッキーもそうでした。
私はまだまだ伸びしろがあると思っています。
――夢を聞かせてください。
海外の映画にも出たいですね。目指すはハリウッド。夢は大きく持ちたいです。
▲『ファースト・ミッション』前橋上映での舞台挨拶
小玉百夏(こだま・もか)1993年、高崎市生まれ。仮面ライダーシリーズや戦隊モノのテレビや映画に数多く出演。NHK連続テレビ小説はじめドラマやミュージカル、CMと幅広く活躍している。前橋市内の祖父母の家で母親が焼きそば店を経営、ファンの聖地になっている。


