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全国初の「おからごみ袋」
相模屋食料と井上ビニール開発
2024.11.16
おからを原料に加えたバイオマス素材のごみ袋が完成した。豆腐製造最大手の相模屋食料(前橋市鳥取町)と井上ビニール(前橋市三俣町)の共同開発で、商品化は全国初。前橋市は45㍑入りの市指定ごみ袋として1万2000枚発注、外国人向けに配布する。
外国人に1万2000枚配布
相模屋食料がおからを有効活用して独自開発したプラスチック原料「TOFU RESIN(トーフレジン)」を提供、井上ビニールが市指定ごみ袋の規格に合うよう製作した。
前橋市は定住外国人がごみ出しのルールを守らず、近隣住民とのトラブルになる事例もあることから、ごみ袋の裏面に「燃えるごみにまぜないで」と分かりやすく分別収集の注意を示したイラストと8言語(日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、ベトナム語、ネパール語、インドネシア語)を表記した。
ごみ袋は市内の日本語学校を通じて、新入学生らごみ出しのルールを分からない生徒に配布する予定。通常のごみ袋より割高になるものの、環境への意識が高まり一定の需要が見込まれれば一般向けにも普及させる。
植木鉢、ベンチも製作
豆腐の製造過程では大量におからが発生、一部は食用や飼料、ネコの砂などに転用されるが、3分の1は産業廃棄物として処理されている。
相模屋食料はおからを有効活用したトーフレジンを開発、これをもとに2023年、植木鉢の「おからポット」を製造した。
さらに、井上ビニールと連携して「おからベンチ」を開発、前橋市児童文化センターに寄付している。
商品によって、おからの含有率を調整するのがポイント。井上ビニールのリサイクル部門を担当する小尾智幸次長は「おから自体、水分が多いのでごみ袋用に薄いフィルムにすると蒸発して穴が空いてしまう恐れがある。強度も求められ、支障のない範囲でおからの含有率を高めた」と説明する。
相模屋食料バイオマス部の鳥越智香子部長は「廃棄物として捨てられるのはもったいない。循環型社会の実現に向け、みなさんに喜んでいただける取り組みを進め、花を咲かせたい」と強調、第4弾として買い物袋を開発していることを明らかにした。