watch
見たい
全国和菓子甲子園に出場
勢多農高の穴原さんと平泉さん
2024.08.18
第15回全国和菓子甲子園(8月21日、大阪市)に勢多農林高校食品科学科3年生の穴原春花さんと平泉美夢さんが出場する。「Cow Dream-夢色酪農-(カウドリーム・ゆめいろらくのう)」と命名し、桑の葉など群馬県産の食材をふんだんに使った新感覚のどら焼きを考案した。初出場の昨年は3位。今回は初優勝を目指している。
県産食材で新感覚どら焼き
「カボチャ餡を作ります」「ブランデーで香り付けして」。夏休みで他に生徒のいない食品製造実習室。穴原さんと平泉さんが「夢色酪農」の試作に取り組んでいる。大会の制限時間は105分。時間内に正確に見栄えのいい和菓子を作らなければならない。
大会を間近に控えたこの日はこれまでの試作の反省点を修正、順調に調理を進めている。「できました」。25分前に完了。皿にヒマワリの造花をあしらい、夏らしさを演出する余裕もみせた。
酪農の夢を和菓子に再現
全国和菓子甲子園は高校生を対象に自由な発想で新しい和菓子を作ってもらう大会。今回は全国から34校86作品の応募があり、書類選考により10校12作品が決勝戦進出を決めた。
今回のテーマは「日本の酪農」。菓子づくりに欠かせないバターを生産する際に副産物として生まれる脱脂粉乳を有効利用する和菓子が課題となった。
「夢色酪農」は脱脂粉乳を入れてカッテージチーズを作り課題をクリアした。最も力を入れたのは3色の「あんこ玉」。桑の葉で緑、トマトで赤、カボチャで黄のあんこ玉を作り、この中に枝豆を隠している。
米粉やベーキングパウダー、透明醤油、スキムミルクなどを混ぜて焼いた生地に3つの玉を挟み、チーズ、県産和紅茶入りのあんこ、生クリームを注入して出来上がり。「一口ごとに味変を楽しめながら、すべてがマッチした不思議だけど美味しい和菓子」(平泉さん)と手ごたえを感じている。
応募にあたって、2人は酪農の現状を調査した。円安による飼料代の急騰や担い手の高齢化から廃業する事例を確認しながらも、「実習で牛に触れる機会があり、つぶらな瞳がかわいかった。酪農は食生活に深く根付く欠かせない産業であり、将来性がある」(穴原さん)と期待。牧場の牛、酪農家、酪農家を目指す高校生のすべての夢をデザインと味わいに表現し、「夢色酪農」と名付けた。
勢多農林高校は初出場した昨年、3位に入った。2人は「昨年以上の成績。できれば優勝したい」と口をそろえて抱負を語る。
指導にあたる田中良子教諭は「テーマに寄せた作品が出来た。熱心に練習しているので十分チャンスはある。私自身、リベンジだと思っています」と2人に負けないくらい闘志を燃やしている。