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【貴方を薔薇に会わせたい・秋▶2】
ローズヒップは万能選手
2023.11.01
陽が落ちるのが早くなる秋は空のグラデーションがとても綺麗で好きです。夕日のピンクがきらめく淡い藤色など青とは言い切れない、青の色が特に好きでバラでいうブルームーン色に空が染まるのが素敵過ぎます。(文章/青山美奈子さん)
ビタミンたっぷり。小鳥たちのご馳走にも
ブルームーンは青紫系バラの歴史的名花でこのバラ特有の爽やかな香りで、秋にも大輪で咲くお気に入りのひとつです。私はバレリーナというそよ風に揺れ踊る、可憐でしなやかなバラと一緒に植えています。
バレリーナやブルームーンのような野生種系のバラは花がらを残すと晩夏から秋にローズヒップと呼ばれる赤い美しい実をつけるので、クリスマスのリースや遊びに来てくれる小鳥たちのご馳走にもなるんです。
ローズヒップといってもその形や大きさはさまざまで、ばら園でも秋を彩るローズヒップをたくさん見つけることができるので楽しいですよ。
その中でも十六夜バラ(イザヨイバラ)の実ローズヒップのイメージとは異なり熟すと梨のような香りがして「刺梨(シーリー)」と特別な呼び方で、ビタミンCが豊富な生薬になるそうですが、バラ園では採るのは禁止してますのでご注意下さいませ。
「月に代わってお仕置きですよ」
真っ赤な実と色付く紅葉のあたたかな色彩は人の心を温かく染めてゆき、冬支度の準備をしやすくしてくれますね。
今夜はビタミンたっぷりのローズヒップティーを飲んで風邪をひかないように、身体の準備もしておきましょ。
あおやま・みなこ
ばら愛好歴28年。敷島公園観光連盟会長。敷島公園門倉テクノばら園・ばら園まつり実行委員長。学生キャリアサポートを通して若い人たちにもバラの魅力と歴史的意義を受け継ぐ活動にあたっている。