interview

聞きたい

【聞きたいたかのさん2▶︎ 】
シャネルに重ねる自分 世界のエステを日本式に

2021.10.26

【聞きたいたかのさん2▶︎ 】
シャネルに重ねる自分 世界のエステを日本式に

エステという言葉を日本で確立させ、普及させた美のカリスマ。前橋で理容師となり20歳で上京した。パリでエステを学び、30歳でエステティックサロンを開設。海外の技術を融合した独自のエステを確立、業界トップに上り詰めた。苦労を重ねた故郷を愛し、お世話になった「鐘の鳴る丘少年の家」の後援会長を務めている。

 ―大手のエステサロン10社を対象にした調査で、「満足度3冠」を達成しました。

「お客さまからの評価ですからね。三冠達成は心からうれしいです。創業44年ですから、9月で。老舗中の老舗のエステですよ。

私は技術者上がりです。妥協は一切しません。施術もそうですが、商品作りも。何度も作り直すことになったスタッフは大変ですが。でも、すべてお客さまのためなんです」

―「たかの友梨」が目指すブランドとは。

「ココ・シャネルです。未来永劫まで輝き続けるブランドとして残したいです。みんなの憧れ。

ココ・シャネルと私、生い立ちが似ています。あの人も孤児院で育って天涯孤独で。そこからのし上がった。帽子屋から始めて服をデザインし、香水や宝石を作って。大勢の人がシャネルに囲まれて暮らせるようにした。おこがましいですけど、ブランドを残したいという意味で、シャネルに重ね合わせます」

―韓国の竹塩を使った新感覚のエステを始めています。その前はインドでした。

「300年ほど前、韓国の僧侶が伝えた健康塩です。天日の塩を青竹に詰め、5年かけて焼くそうです。これを使えば肌がつるつる、透明になります。

3カ月に1度、新しいエステを考え、ご提案します。私はパリに行ってエステを目の当たりにして、カルチャーショックを受けました。それ以来、海外に何かヒントがあると考えています。テレビ番組で世界中の美を紹介した時期があり、世界中、そう40数カ国ぐらいのエステを見て、学び、導入しています」

―エステの輸入ですね。

「そのまま持ってきてはダメ。肌も違うし、オイルの成分が合わないこともある。日本人に合うように改良し、現地のよりブラシュアップさせます」

-お店に行けば世界のエステが受けられるのはいいですね。海外旅行に行った気分になれます。

「バリ式のアロマは香りが素敵で人気でしたね。漢方はロングラン。フィリピンの妊婦に施すエステ、マレーシアの産後のマッサージも好評でした。

エステにはみんなストーリーがあります。例えば、バリ式は花嫁になる娘にお母さんがしてあげるのが起源です。伝統的なエステはだいたい、お祈りをしてから行います。心から健康になる、きれいになるという考えなのです」

 ―土地に根付いた伝統のエステですね。

「最先端のエステも導入します。ぎりぎりコロナが大騒ぎになる2年前、ニューヨークに行き、CBDという無害で安全な大麻成分を含むオイルを使ったエステを研究しました。日本の業者に絶対安全なオイルを作ってもらいましたが、爆発的な人気でした」

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たかの・ゆり

1948年1月、新潟県湯沢町生まれ。前橋女子高校(定時制)卒。理容師から化粧品のアドバイザーに転身。フランスでエステティックを学び、美顔器販売を経て、たかの友梨ビューティクリニックを開設する。「鐘の鳴る丘少年の家」後援会長。

たかの友梨ビューティクリニック(不二ビュティ)

1978年9月開業。全国に84店舗を展開。県内には前橋(スズラン別館)、高崎湯都里、太田安眠の湯の3店舗。本社・東京都渋谷区代々木。