聞きたい須永さん2▶︎
音楽とファッションを融合
大谷翔平選手のテーマ曲に

米国のホームレスの力強い生き様に感動してアパレルブランド「BEGGARS BANQUET(ベガーズ・バンケット)を立ち上げた須永真一さん。日本語訳は「物乞いの宴」。オリジナルのTシャツにはボストンで撮影したホームレスの写真がプリントされている。メジャーデビューまでした元バンドマン。音楽とファッションの融合を常に意識している。

 ―音楽との出会いはいつですか。
 「いとこの影響で幼稚園のときからロックに触れてきました。祖父の家でよく演奏していて、爆音を聴いて育ちました(笑)。
 小学5年で初めてアコースティックギターを買ってもらい、独学で弾きました。中学生になると、同級生や偶然出会った仲間とロックバンドを組みました。スタジオを借りて練習しましたね。私はベース。『ジミ・ヘンドリックス』にあこがれていました」
 ―中学を卒業すると、本格的にバンドの世界にのめりこみます。
 「音楽活動をしながら高校を卒業できる都内の専門学校に通いました。中学(群大付属中)ではかなり異質でしたね。みんなびっくり。バンドを組んでいた仲間は医者になりました」
 ―家族から反対されませんでしたか。
 「父からは反対というか、なぜその道に進みたいのか、プレゼンしろと指示されました。音楽家としてやっていけるのか、よく調べろということだったと今は思っています。いっときの熱にうかされるのではないことを証明しろということだったのでしょう。
 まあ、何とか許してもらえました」
 ―専門学校卒業後、メジャーデビューします。
 「学校で出会った仲間と在学中に『クラッチョ』というバンドを組みました。エイベックスにも所属しました。ファーストアルバムに収録された曲がアニメ『メジャー』のメーンテーマ曲になって、日ハム時代の大谷翔平選手がバッターボックスに入る際にかかりました。ひと言も話はなく。まあ、うれしかったですけどね(笑)。群馬県が舞台の『頭文字D』にも使われました。
 2015年に活動を休止しました。13年やりました。少し前にお世話になった渋谷のライブハウスが閉店するというので、久しぶりに復活ライブをしました。あまり練習できませんでしたが、意外とうまくできました。楽しかったですよ」
 ―音楽がいまの仕事に影響を与えることはありますか。
 「大いにあります。音楽からも生命力を感じられますから。音楽とファッションの融合を常に意識しています。店でもロックをかけていますし。デザインする際もこの曲をイメージしたのにするとか、あのバンドのライブに似合うようにしようとか。
 『ランシド』という米国のパンクロックバンドのメンバーの一人は人気絶頂の後、アルコールに溺れてホームレスになり、そこからはい上がってきた。そういうバンドの曲はリアルに力強さを感じますね。自分自身を鼓舞したいときに聴きますし、もちろん作品にもしています」

須永 真一(すなが・しんいち)

1987年11月、前橋市生まれ。専門学校在籍中にロックバンド「クラッチョ」を結成、13年間活動する。米国でホームレスの力強い生き様に感動し、アパレルブランドを立ち上げる。BEGGARS BANQUET(ベガーズ・バンケット)前橋市川原町に2021年6月に誕生したカフェ併設のアパレルショップ。ホームレスの写真をプリントしたTシャツやシャツ、米国の古着などを販売する。

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