聞きたい NIGOさん2▶︎
動くことを止めない
話題集めたヴィトンとコラボ

―アトリエは自らデザインしたり、DIYしたりするそうですね。どんな思いをこめていますか。
 「もともとは撮影スタジオだったビルです。リノベーションしました。社員が増えているので、内装を変えています。
 僕は割と細かいことも自分でしています。ドアのプレートを作って付けたり。自分にとって空間はすごく大切です。自ら掃除もします。スタッフも常々、意識を高めてほしいと思っています。
 米沢藩主・上杉鷹山の『してみせて 言って聞かせて させてみる』という言葉が好きです。自ら動くことがブランドや会社の方向性を示す一番の手段だと思っています。冗談で『代表取締役用務員』なんて言っています(笑)」
―2020年は「ファッション・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。デザイナーとして、何か心境に変化はありましたか。
 「冠的なものあまりいただいたことがなかったので、うれしかったです。
 まあ、振り返ってみると、ルイ・ヴィトンのデザインをやったり、コロナ禍でもやれることはやったのかなと思います。これからも特に何か変わることなく、淡々とやっていきたいと思います。
 動くことを止めたら、僕ぐらいの歳だと、そこで終わってしまう。逆にアグレッシブにデザインする、好きな趣味をする、無理くり詰めていかないと、老いてしまう気がしています。あと10年やれるか、20年やれるかも分かりません」
―ルイ・ヴィトンとのコラボは話題を集めました。ハイファションとストリートウエアの融合が進みました。
 「時代が変わったというか。
 いわゆるストリートみたいなものは僕らが始めたと言われているようですが、そうだとしたら、ここまでいったんだなと、感慨深いですね。始めたころはファッション誌も注目を示さなかったですから。自己満の中でお客さんがいて、成立していたんですね。
 それが90年代後半から大きなものになって。
 今回はヴァージルというヴィトンのデザイナーから声をかけてもらいました。彼は僕らの次の世代のデザイナーで、年下の友達というか、古くからの仲間です。彼がヴィトンのデザイナーになったというのがすごく大きなポイントでした。声かけてもらい、うれしかったです。
 実はヒューマンメイドをゆっくりやりたいなと考えていました。お客さんに媚びないものづくりをしたい。自分でいいと思うものを好きなようにやろうと思っていました。ヴィトンとのコラボでそれが受け入れられたのは不思議でしたね」

裏原宿系ストリートファッションの旗手NIGO® 

1970年12月、前橋市生まれ。文化服装学院在学中にDJ、ライターとして活躍、1993年、桐生市出身の高橋盾と原宿に「NOWHERE」を開いた。自身で立ち上げたブランド「ア・ベイシング・エイプ」は裏原宿系ストリートファッションとして世界で大ヒット。エイプ売却後はフリーとなり、「HUMAN MADE」を立ち上げる。サイバーエージェントやアディダス、JINSのサングラス部門のクリエイティブ・ディレクターも手掛け、「ルイ・ヴィトン」からコレクションも発表。ルイ・ヴィトングループの「KENZO」のアーティスティック・ディレクターに就任した。

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