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前橋市中心街の起業を支援
太陽の会が初の公開審査

2025.06.13

前橋市中心街の起業を支援
太陽の会が初の公開審査

 前橋市中心街で事業を始める若者を対象にした太陽の会の起業支援「mebuku PITCH」の第1回公開審査が6月13日に開かれた。商店街での民泊事業を計画している「弁天通り宿泊所 べにや」のビジネスプランを発表した片山昇平さんが最高賞のゴールドを受賞、奨励金100万円を獲得した。

弁天通りの民泊が最高賞

 公開審査には4人が参加、事業の概要、意義、特長と将来展望をプレゼンした。

 太陽の会開業支援部会の樋口明部会長をはじめとする会員が審査員となり、採算性や同業他社との差別化について質問したり、企業家の先輩として助言した。

 片山さんは前橋市内に民泊施設が圧倒的に少ない現状から需要の大きさを指摘、ホテルでは提供できない商店街に泊まる非日常体験ができ、1度に3、4人を収容できる1部屋貸しモデルを構築した。

▲民泊施設を始める片山さん

 場所はかつて大衆食堂「べにや」があり、現在は別の飲食店が入っているビルの2階。「この場所にあった歴史も含めて引き継いでいきたい」と物件への思いを語るとともに、将来的に街中の民泊を集めて1つのホテルに位置付ける「前橋・まちなか商店街ホテル」構想を発表した。

 ゴールド受賞が決まると、「プレゼンではみんなにワクワクしてもらえるような場所になる兆しを感じてもらえればいいなと考え、それが結果につながりうれしい」と笑顔で話した。

▲熱心に聞き入る審査員

市役所退職してネイルサロン

 プライベートネイルサロンを8月にも開業する藤井里世さんは今年3月まで、前橋市にぎわい商業課の職員として中心街の活性化に取り組んだ。

 街中にサロンを開設する効果について、「もっと盛り上げられる。街中で1日遊べるプランを作りたい」と説明。ブロンズとともに、公開審査に集まった来場者の投票で決まる特別賞も受賞、涙を抑えながら事業の成功を誓った。

▲「唯一無二のネイルアーティスト」を目指す藤井さん

 このほか、銀座通りで飲食店とレコード店を融合した店舗を出店している小板橋龍さん、弁天通りで朝食食堂兼ワインバーを出した神戸篤樹さんが登壇した。

▲銀座通りにレストランを出店した小板橋さん

前橋市の補助金に上乗せ

 「mebuku PITCH」は太陽の会が独自の起業支援として本年度創設した。中心市街地に「新たな価値」を生む「個性的な事業」に対して重点的に支援することで、新しい企業城下町前橋としての価値や魅力を向上させるのが目的。前橋市まちなか開業支援補助金の交付決定を受けていることが原則として条件となり、これに上乗せする形で支援する。

 樋口部会長は「行政の補助金に上乗せするのは全国的にも珍しい取り組み。お金を出すだけでなく、育成することも役割」と総括した。

 年内にも2回目の公開審査を開く予定。

▲初のプレゼンを振り返る樋口さん