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前橋テルサ“延命”
解体先送り、再利用はせず
2026.09.10
本年度中に解体が始まる予定だった前橋テルサが“延命”することになった。小川晶市長が9月10日の定例記者会見で解体工事着工の時期を来年度以降に先送りすることを明らかにした。解体には多額の費用が見込まれ、中心市街地再開発など大型事業が集中する中、財政負担を考慮した。
財政負担考慮、2029年度以降か
小川市長は「国民スポーツ大会が終わるまでは財政上、巨額の解体費用の捻出は厳しい」と先送りの理由を説明した。
解体時期については「予算の確保ができ次第」と述べ、国民スポーツ大会が開かれる2029年度以降になる公算が高いとみられる。
▲前橋テルサの解体を明言した小川市長=2026 年3月の記者会見
前橋テルサをめぐって、小川市長は3月の記者会見で「解体するしかない」と明言した。補正予算で解体に掛かる費用を計上、入札で業者を選定する方針を示していた。解体費用は公表しなかった。
この日の会見でも「解体方針はそのまま」と指摘。民間からの新たな地用提案に関しては、「悪い話ではないので、提案があれば検討する」としながら、これまで3回の公募が不調に終わった経緯を示し、「公募の状況も踏まえての判断となる」と慎重な姿勢を崩さなかった。
跡地については、中心街再開発事業に伴い閉鎖される予定の中央イベント広場の代替地とするとしていた。
前橋テルサの活用を巡っては、前橋市民文化会館が改修工事のため来年7月から2年近くにわたって使用できなくなることから、市民団体がテルサのホール活用を要望したが、前橋市は再開に多額の費用がかかることを理由に実現は難しいと答えている。
▲前橋テルサの活用を求める市民は多い
廃墟ビルが2つできる
前橋テルサが解体も利用もされずに数年間残されることについて、中心街の商店主の一人は「前橋スズランが12月以降、閉店され無人となる。中心街に巨大な廃墟ビルが2つできることはにぎわってきた中心街に冷や水をかけることになる。再開発事業の進捗も不透明であり、市の姿勢は問題がある」と痛烈に批判する。
ホール再開を望む市民団体
前橋テルサの維持管理には年間3700万円が見込まれており、ホール難民を問題視する音楽家は「3年間で1億円以上かかる。ホールを再開するのにはいくら必要なのか。解体を先送りするのはただ無駄な税金を垂れ流すことになる」と市の方針の再考を求めている。
▲使われないままのホール
前橋テルサをめぐる経緯
1992年、前三百貨店があった場所に前橋勤労者総合センターとして建設された複合施設。地上12階、地下1階。外観はレンガ調で、大正ロマンを醸し出す。雇用・能力開発機構と共同保有していた前橋市が2004年に買収。前橋市まちづくり公社が運営、市は施設維持費用として年間2億5000万円負担してきた。ホテル、プール付きのフィットネス、多目的ホール、大小の会議室、レストランがあった。
2009年に包括外部監査で存続の必要性に関して指摘を受け、2017年に廃止を決定した。2013年度から2022年度まで指定管理制度を導入して運営。2度にわたり民間への売却や賃貸を公募してきたが、結果的に不調に終わり、2023年3月から休館している。2026年3月の3回目の公募も優先交渉権者が決まらなかった。


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