聞きたい 飯野さん1▶︎
赤城の麓で小松菜を有機栽培
原点はインドの循環農業にあり

学生時代にインドの農村で目にした循環型の有機農業を赤城山南麓で実践している。自然の恵みをいただいて育った小松菜は生で食べると甘さに驚かされる。農業法人を率いる飯野晃子さんは2児の母。前橋と東京の二重生活、仕事と家事の二刀流を楽しむ。

―雄大な赤城山を背に鮮やかな緑が広がります。露地、ハウス合わせて約11㌶の認証圃場で小松菜を有機栽培しています。
 清らかな水、豊かな陽光、澄んだ空気…。赤城の恵みをすべていただいて、安全安心でおいしい野菜を育てています。農場はグローバルG.A.P.認証も受けています。土壌の中に、目には見えない微生物がいることで豊かな土壌になるのです。
 ―葉は緑がきれいで肉厚です。生で食べると、茎の甘さに驚かされます。
 プレマのオーガニック小松菜は生でも美味しいですよ。化学合成農薬や化学肥料を使った小松菜では味わえないナチュラルな味わいと生命力が自慢です。
 有機農業だから、虫は出ますし、雑草との戦いもあります。でも、赤城の生態系の中で農業をやらせていただいていることに感謝して、自然環境と調和しながら可能な限り健康で美味しい小松菜を生産することを常に考えています。
 苦みやえぐみがないか、味わいは十分か…。収穫する前の圃場の小松菜をスタッフが味見をし、見た目や作り方の安全性だけでなく、味にもこだわっています。
 ―学生時代に都内で一人暮らしを始めた際、体調を崩したことから食生活の大切さに目覚めたと聞きました。
 大学院の研究でインドを何度も訪ねました。ここなら有機の神髄が分かるのではないか。そんなインスピレーションでインドを選んだのです。
 私が訪れたとき、すでにインド全土で農薬や化学肥料を大量に使う農業が主流でした。でも、奥地では牛の糞を肥料にし、唐辛子を水に薄めて虫よけにまくといった、有機農業の技術を農民に教育する社会活動が行われていました。
 そうした取り組みを調査したり、有機農業の篤農家たちに会って、さまざまな方法を教えていただきました。その経験が、私の現在につながっています。
 ―食や環境を学ぶ中、有機農業への関心が高まっていきましたね。
 インドでは農薬や肥料などを買うために、わざわざ借金をしてまで購入するので、生活に苦しむ農民が多かったのです。しかし、有機農業はハーブや家畜の糞を利用するなどの工夫によって、農業に必要な資材を身近なもので賄うことができます。
 文字通り循環型の有機農業をインドの農村で目の当たりにして、化学薬品に依存する農業の問題や、今後の農業のあり方、地球規模での持続可能な発展のあり方を考えさせられました。

飯野晃子(いいの・あきこ)

1979年10月20日栃木県足利市生まれ。津田塾大学英文科卒業、東京大大学院修士課程修了。2015年からプレマ社長。一般社団法人日本ヒーリングフード協会代表理事を務める。


株式会社プレマ(プレマ・オーガニック・ファーム)

1996年創業。周年で有機小松菜を栽培。小松菜パウダー、小松菜生うどん等加工品も販売する。資本金1000万円。従業員約35人。前橋市粕川町下東田面。

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