聞きたい新井さん3▶︎
子供用専門から大人用も
髪の悩み解消します

娘さんが小児脱毛症だった。母子で泣いた。小学校入学前に何とかしてやりたい。それが起業の原点だった。使いやすくて、手入れしやすくて、そして、おしゃれ。夢のようなウイッグを作り上げた。前橋リリカにウイッグ専門店を構える新井舞さんの物語です。

 

 ―ウイッグ(かつら)を販売する実店舗を構えたらコロナ禍で大打撃。来店者も少なくなったでしょう。どんな手を打ったのですか。
 「オーダーメードで対応していたので、経営的には非常に厳しかったですね。キャンセルが続々とありましたから。でも、やめるわけにいかないと覚悟していました。髪に悩むお子さまをお持ちの親御さんの声を聞きますとね。
 そこで、まず、取引先のメーカーを増やしました。リスクの分散です。競合することでコストの削減も期待できますから。
 子供用だけでなく、大人用、ミセス向け、お年寄り用もそろえ、幅広い年齢層に利用していただけるようにしました。子供向けで始めたわけですが、次第に別の需要が高まってきたからです。店を開いた頃の相談、問い合わせは8、9割が子供でしたが、5対5くらいになりました。髪の悩みは年齢に関係なくありますね」
 ―ただ、成人向けのウイッグは大手を含め強豪相手がいます。どう差別化したのですか。
 「既存の大きな店は病気由来より、加齢による脱毛の方を対象にしています。セレブなミセスが主たる顧客層です。男性もそうでしょう。ですから、お店も高級感があった方がいいですし、対応する従業員を雇い、広告宣伝費もかけなければなりません。
 これに対して、うちは病気で困っている子供を何とかしたい、おしゃれを楽しんでほしいというところからスタートしたわけです。私一人でやっていますし、経費は抑えられます。原価を低く抑えられる分、お客さまには安く商品を提供できます。
 品質にも自信があります。娘のために始めたことですから。安かろう悪かろうではありません。
 ネット社会ですからね、九州や北海道からも引き合いがあります。Zoomでも相談を受けます。うちでなければいやというお客さまがいますから、事業が成り立っているのでしょう」
 ―子供向けに新たな取り組みを始めたとか。
 「脱毛症、抜毛症に悩む子供たちに無償でウイッグをプレゼントする一般社団法人『ウイッグドネーションDa-re(ダーレ)』を立ち上げました。
 ご協賛いただける企業、団体のご協力を得て、抽選でプレゼントしています。公的な助成がない中、こうした民間の輪を広げていきたいと願っています」
 ―最後に新井さんが描く未来予想図を教えてください。
 「美容室や病院と連携したりして、販路を広げたいですね。困っている親子を助けたいですから。品質ももっと高めたい。髪質は1人1人違いますもの。泣いている親子を笑顔にしたいです」

新井舞(あらい・まい)

1986年3月、太田市生まれ。2018年、ウイッグ専門ネットショップ「ドリームアソート」を創業。2019年、「群馬イノベーションアワード」ファイナリスト。2020年、前橋市リリカ内に実店舗を開店する。前橋市在住。

関連記事